弁護士の方へ
当院では、起訴前から裁判中のご本人様(特に性嗜好障害、クレプトマニア・窃盗癖、薬物依存症、ストーカー・DV加害者の方)を対象として集中治療プログラムを実施しております。また、検察や裁判所に提出できる3種類の書類(受診前意見書、受診証明書、診断書)の作成が可能であり、ご本人様の状況に合わせて最も適したものを提案させていただいています。ご家族や弁護士の方が代理で受診された場合には意見書という形で書類を作成することも可能です。
1、裁判中の治療の利点
従来、逮捕後の患者さまがすることといえば裁判に向けて司法手続きを行うことくらいであり、裁判中に治療を受けるという選択肢はほとんどありませんでした。しかし裁判中に治療を始めることで、以下のような理由からメリットがあります。
上記の点から、司法対応中にただ結果を待つだけでは時間のロスであると思うようになりました。期限付きの厳しい条件の中で、裁判の結果どのような判決になりうるのかを考えながら、できるだけ高い治療効果を望めるよう、以下の集中治療コースを作りました。
2、集中治療プログラム
裁判に向けて、初診以降ご本人様には集中治療プログラムとして、なるべく毎日多くの診察やプログラムに参加するように提案しています。その際にご本人様が取り組める内容として、以下のものがあります。
各プログラム参加費用は保険3割負担で1,270円程度です。医療費軽減制度を利用すれば適用後は1割負担500円程度に費用が軽減されます(ただし、診断書発行料として3,000円かかります)。
更正計画書の作成
初診からの期間、どのような治療をしてきたか、そこから何を学んだかを報告し、今後再犯をしないためにどのような治療を受け、自己努力していくかを宣誓する書類を作成します。
尿検査
尿検査を通院期間中に行い、違法薬物を使用していないことを証明します。
集中内観療法
(身近な人に)「してもらったこと」「して返したこと」「迷惑をかけたこと」の3つの質問について内観する精神修養です。1週間通いで行います。
個別精神療法
医師との一対一での診察を行います。
集団精神療法
依存対象を断ち続けるために同じ疾患を抱えた仲間たちで集まり、お互いに自分の治療状況を報告したり、現在の悩みを打ち明けたりします。
集団認知行動療法
認知行動療法に基づく当院のオリジナルの集団治療プログラムを行います。
読書療法
疾患に関する書籍を読み、知識を深めます。
条件反射制御法
欲求の起こらない新しい条件反射を身につけ、依存対象へ向かう条件反射を弱めます。
裁判傍聴
実際の裁判を見学することで予行練習ができ、本番をイメージしやすくなります。
就労移行訓練
就労を目指した訓練制度。就労移行支援、就労継続支援B型の2種類を、当院併設の専用施設「わくわくワーク大石」にて行っております。(詳しくは、わくわくワーク大石のホームページを参照ください。)
3、書類作成について
当院では調停や裁判等で提出できる3種類の書類(受診前意見書、受診証明書、診断書)の作成が可能であり、ご本人様の状況に合わせて最も適したものを提案させていただいています。ご家族や弁護士の方が代理で受診された場合には意見書という形で書類を作成することも可能です。
1、受診前意見書
4,000円(税込)
ご本人様が拘留中などで受診が難しい場合、裁判に関する資料を精神科医が閲覧し、ご本人様の疑われる疾患(診断名)、一般的な治療内容やその有効性、保釈後の治療引受が可能であること等についての意見書を作成致します。本意見書は裁判への提出が可能です。
※基本的には担当弁護士の方からのみお受けしています。その際には本件の概要や犯歴等、病状がある程度把握できるような資料をご用意願います(裁判に関する公的記録でも可)。
※基本的には担当弁護士の方からのみお受けしています。その際には本件の概要や犯歴等、病状がある程度把握できるような資料をご用意願います(裁判に関する公的記録でも可)。
2、受診証明書(簡易診断書)
4,000円(税込)
国選弁護士の場合
7,000円(税込)
私選弁護士の場合
初診から裁判まで1週間~1ヵ月程度で日数に余裕がなく、なるべく早く診断書を希望される場合に、初診年月日、診断名、今後の治療方針について可能な範囲で記載させていただきます。円滑な裁判のために、さらに以下の内容を追加することも可能です。
- 尿検査の結果(保釈中に薬物を使用していないことを証明したい場合)
- 家族の治療サポートについて(家族が依存症を理解し治療に協力することが再犯防止に繋がるため、家族には家族教室をご案内します)
- 出所した後の治療受け入れについて(刑の一部執行猶予にも有効です)
※裁判の5日前までには裁判所より診断書の提出を求められることが多く、裁判が直近にある場合には、できるだけ早く受診することをお勧めします。
3、診断書
8,000円(税込)
国選弁護士の場合
25,000円(税込)
私選弁護士の場合
初診から裁判まである程度の期間(目安は一ヶ月以上)が確保できる場合、詳細な診断書を裁判に提出することが可能です。診断書の内容について、具体的には以下のものが記載可能です。
①治療内容やその実績について
- 診断名とその根拠
- 問題行動の発症から現在までの経過
- 初診日からの通院日数や参加した治療プログラムの概要、尿検査結果
②その他クリニックが提供可能な支援について
- 自立支援適用の就労移行(わくわくワーク大石)の場の提供が可能であること
- 生活保護申請のサポートが可能であること
- 出所後の治療引き受けが可能であること
また、クリニック側が作成する診断書の他に、ご本人様が自身で作成する更生計画書や治療レポートを裁判に提出することが可能です。
弁護士の方へ
当院では、起訴前から裁判中の当事者様(特に性嗜好障害・クレプトマニア・薬物依存症・ストーカー・DV加害者の患者様)を対象として、裁判中の治療を含めた治療プログラムを実施しております。その際には3種類の資料の作成が可能であり、ご本人様の状況に合わせて最も適したものを提案させていただいています。