弁護士の方へ

当院では、起訴前から裁判中のご本人様(特に性嗜好障害、クレプトマニア・窃盗癖、薬物依存症、ストーカー・DV加害者の方)を対象として集中治療プログラムを実施しております。また、検察や裁判所に提出できる3種類の書類(受診前意見書、受診証明書、診断書)の作成が可能であり、ご本人様の状況に合わせて最も適したものを提案させていただいています。ご家族や弁護士の方が代理で受診された場合には意見書という形で書類を作成することも可能です。
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1、裁判中の治療

裁判中に治療を行えば、様々な理由で多くの利点があります。

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2、集中治療プログラム

集中治療プログラムとして、毎日多くの診察やプログラムに参加するよう提案しています。

薬物依存症の事件を扱う弁護士の方へ

3、書類作成について

受診前意見書、受診証明書、診断書の3種類の資料の作成が可能です。

1、裁判中の治療の利点

従来、逮捕後の患者さまがすることといえば裁判に向けて司法手続きを行うことくらいであり、裁判中に治療を受けるという選択肢はほとんどありませんでした。しかし裁判中に治療を始めることで、以下のような理由からメリットがあります。

治療を始めやすい

ほとんどの場合では、警察で違法な事実が確認されているために、事実(ex 覚醒剤使用等)の有無を争うことは少なくなります。このために患者さま本人が問題を認めざるをえず、治療を始めるきっかけになります。

家族の負担が少ない

患者さまの中には普段から通院に消極的だったり拒否的な方も多く、この状態の患者様を家族が医療機関に連れてくるには大変な努力が必要です。しかし司法対応という社会的問題が生じた後しばらくは本人の問題意識が維持されるため、自主的に通院が継続します。

治療意欲が高い

問題が起きた直後なので反省しやすく、問題がこれ以上大きくならないようできる限りのことをしたい気持ちが強く、治療効果も期待出来ます。

治療を積極的に受け入れられる

多くの患者さまは刑務所に入ったり、刑が重くなったりすることを嫌がります。このような患者さまは、裁判官に対し治療を十二分に受けている努力を見せることで刑が軽くなるよう、診断書の発行を希望します。そのためか治療を積極的に受けられる印象があります。こういった裁判対応だけを目的とした治療意欲の低い患者さまがクリニックに来院されると、クリニックとしては非常に手間がかかりますので、良いことばかりではありません。しかし、最近は少し考え方を変えました。最初は治療意欲の低い患者さまでも、治療を受けているうちに意欲的になることも少なくないのです。また、そうならなくてもこの様な時に一度受診しておきますと、次にまた問題が起きた時にあまり嫌がらずに再受診するという印象を持っています。

再犯を少なくできる

裁判中に治療を受けたにも関わらず、裁判の結果が本人の希望通りでない重い刑になることも少なくありません。しかしこの様な場合でも、治療は決して無駄にはなりません。刑務所を出所した後の依存症の患者様の再発率が高いことは、犯罪白書等に報告されている通りです。治療を受けていないと、出所後再び犯罪につながり、結局さらに長期の懲役となる可能性が高いのが現実です。このように考えると、例え今回実刑になったとしても、その後の再犯を少なくする治療を受けておくことは、将来において患者さまが再び刑務所に入る確率を少なくすることに繋がります。

なお、希望があれば服役中にスタッフと文通することもでき、この繋がりが出所の再受診の意欲を高めます。

上記の点から、司法対応中にただ結果を待つだけでは時間のロスであると思うようになりました。期限付きの厳しい条件の中で、裁判の結果どのような判決になりうるのかを考えながら、できるだけ高い治療効果を望めるよう、以下の集中治療コースを作りました。

2、集中治療プログラム

裁判に向けて、初診以降ご本人様には集中治療プログラムとして、なるべく毎日多くの診察やプログラムに参加するように提案しています。その際にご本人様が取り組める内容として、以下のものがあります。
各プログラム参加費用は保険3割負担で1,270円程度です。医療費軽減制度を利用すれば適用後は1割負担500円程度に費用が軽減されます(ただし、診断書発行料として3,000円かかります)。
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更正計画書の作成

初診からの期間、どのような治療をしてきたか、そこから何を学んだかを報告し、今後再犯をしないためにどのような治療を受け、自己努力していくかを宣誓する書類を作成します。

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尿検査

尿検査を通院期間中に行い、違法薬物を使用していないことを証明します。

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集中内観療法

(身近な人に)「してもらったこと」「して返したこと」「迷惑をかけたこと」の3つの質問について内観する精神修養です。1週間通いで行います。

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個別精神療法

医師との一対一での診察を行います。

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集団精神療法

依存対象を断ち続けるために同じ疾患を抱えた仲間たちで集まり、お互いに自分の治療状況を報告したり、現在の悩みを打ち明けたりします。

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集団認知行動療法

認知行動療法に基づく当院のオリジナルの集団治療プログラムを行います。

読書療法

読書療法

疾患に関する書籍を読み、知識を深めます。

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条件反射制御法

欲求の起こらない新しい条件反射を身につけ、依存対象へ向かう条件反射を弱めます。

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裁判傍聴

実際の裁判を見学することで予行練習ができ、本番をイメージしやすくなります。

就労支援

就労移行訓練

就労を目指した訓練制度。就労移行支援、就労継続支援B型の2種類を、当院併設の専用施設「わくわくワーク大石」にて行っております。(詳しくは、わくわくワーク大石のホームページを参照ください。)

3、書類作成について

当院では調停や裁判等で提出できる3種類の書類(受診前意見書、受診証明書、診断書)の作成が可能であり、ご本人様の状況に合わせて最も適したものを提案させていただいています。ご家族や弁護士の方が代理で受診された場合には意見書という形で書類を作成することも可能です。

1、受診前意見書

4,000円(税込)
ご本人様が拘留中などで受診が難しい場合、裁判に関する資料を精神科医が閲覧し、ご本人様の疑われる疾患(診断名)、一般的な治療内容やその有効性、保釈後の治療引受が可能であること等についての意見書を作成致します。本意見書は裁判への提出が可能です。
※基本的には担当弁護士の方からのみお受けしています。その際には本件の概要や犯歴等、病状がある程度把握できるような資料をご用意願います(裁判に関する公的記録でも可)。

2、受診証明書(簡易診断書)

4,000円(税込)
国選弁護士の場合
7,000円(税込)
私選弁護士の場合
初診から裁判まで1週間~1ヵ月程度で日数に余裕がなく、なるべく早く診断書を希望される場合に、初診年月日、診断名、今後の治療方針について可能な範囲で記載させていただきます。円滑な裁判のために、さらに以下の内容を追加することも可能です。

  • 尿検査の結果(保釈中に薬物を使用していないことを証明したい場合)
  • 家族の治療サポートについて(家族が依存症を理解し治療に協力することが再犯防止に繋がるため、家族には家族教室をご案内します)
  • 出所した後の治療受け入れについて(刑の一部執行猶予にも有効です)

※裁判の5日前までには裁判所より診断書の提出を求められることが多く、裁判が直近にある場合には、できるだけ早く受診することをお勧めします。

3、診断書

8,000円(税込)
国選弁護士の場合
25,000円(税込)
私選弁護士の場合
初診から裁判まである程度の期間(目安は一ヶ月以上)が確保できる場合、詳細な診断書を裁判に提出することが可能です。診断書の内容について、具体的には以下のものが記載可能です。

①治療内容やその実績について

  • 診断名とその根拠
  • 問題行動の発症から現在までの経過
  • 初診日からの通院日数や参加した治療プログラムの概要、尿検査結果

②その他クリニックが提供可能な支援について

  • 自立支援適用の就労移行(わくわくワーク大石)の場の提供が可能であること
  • 生活保護申請のサポートが可能であること
  • 出所後の治療引き受けが可能であること

また、クリニック側が作成する診断書の他に、ご本人様が自身で作成する更生計画書や治療レポートを裁判に提出することが可能です。

判決事例と再犯期間

性嗜好障害(パラフィリア障害)

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薬物依存症

薬物依存症の判決-1

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薬物依存症の判決-2

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薬物依存症の再犯期間

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クレプトマニア(病的窃盗、窃盗症)

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被告人は、これまで多数の万引きによる窃盗の前歴を有し、同じく万引きによる窃盗罪の罰金前科も2犯...

クレプトマニア(病的窃盗、窃盗症)

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保護観察関係機関による更生指導を受けさせ、クリニック通院によるクレプトマニア治療と併せた効果を期待するのが...

弁護士の方へ

当院では、起訴前から裁判中の当事者様(特に性嗜好障害・クレプトマニア・薬物依存症・ストーカー・DV加害者の患者様)を対象として、裁判中の治療を含めた治療プログラムを実施しております。その際には3種類の資料の作成が可能であり、ご本人様の状況に合わせて最も適したものを提案させていただいています。

本人が来たがらない場合

まずは対応を相談するためにご家族が受診してください。依存症は家族とのコミュニケーション次第で問題行動は悪化も改善もします。本人との関係性が改善すれば治療に繋げる機会も増えるので今すぐご相談してください。