DVはコミュニケーションです。コミュニケーションは相手との関係性の上成り立っています。加害者の方からはよく「パートナーが悪い、言ったことをやらないから」「全然できないんだから自分に何を言われてもしょうがない」「パートナーの方からケンカを売ってきたんだ」といった言葉を聞きます。確かに、パートナーとのコミュニケーションの延長線上にDVは行われています。ですが、だからといって「暴力を振るって良い」という理由にはなりません。いかなる理由があれ、DVは相手を傷つけます。傷つけられたパートナーは反抗したり無力感に陥ったり逃げたりします。いずれにせよ二人の関係性は悪化し、別れ話や離婚話、別居など、「こんなはずではなかった」という未来が待っています。
つまり、DVのような一方的なコミュニケーションは、結局のところ回りまわって加害者自身を傷つけることになるのです。「こうあるべきだ」という理想に無理やり近づけようとすればするほど、パートナーは離れていきます。

パートナーから「あなたがしていることはDVだから治療を受けてほしい。でなければ離婚する」と言われた、離婚することが決まったが今の自分のままでは同じことをくり返すと思った、これからも良い父親でありたいなど、受診目的はいろいろあるかもしれません。
どのような理由にせよ、パートナーや子どもとの良い関係性を築いていきたいのであれば、あなたが変わることが第一歩です。これを機に、DVという自他を傷つけるコミュニケーションを手放し、自分も他者も尊重できるコミュニケーションを身につけていきましょう。当院ではDVの専門治療として、診察の他に以下のプログラムを行っております。