女性の強迫的性行動症(ホス狂い、ホス狂)
健康と病気の境界
病状
経過
その後担当ホストと借金の件でトラブルになり別れることもありますが、他のホストと同様なことを繰り返しがちです。一般的にはこの状態が数年続き、年齢が上がり売春しにくくなると、次の段階に進みます。この段階ではすでに経済的・社会な問題が膨れ上がっており、強迫的性行動症というより他の精神疾患を合併し自ら悩んで精神科を受診することも多くなり、一般的な女性の生活像と異なるようになります。
発症要因
特定の発症要因がなくても発症しますが、以下の様な場合には発症しやすくまた重症化しやすくなります。
発症要因-①
発達障害がベースにある場合
発症要因-②
生育環境の問題が大きい場合
発症要因-③
境界知能である場合
治療法
本来であれば問題が悪化する前に対策を立て、予防することが一番ですが、恋愛や娯楽(ホストクラブ、Youtube視聴、推し活)は世の中で普通に受け入れられているものであり、それ自体悪ではありません。
しかしながら衝動の抑制が苦手な人にとっては、こういった活動を娯楽の範囲にとどまらせることが難しく、経済的あるいは社会的な問題につながります。発達障害等で衝動の抑制が苦手な人の場合はさらに大きな問題に発展します。こうなるともはや冷静に物事を考えることはできず、パートナー、ホストなど関心のある対象のことで頭がいっぱいな視野狭窄状態に陥ります。そのため、問題や自身の思考を整理し、広い視野を取り戻すために集団精神療法、カウンセリング等を行います。
また、対象のパートナーやホストクラブから距離を置くことはもちろんですが、これだけでは弱いことが多く、このような対象に近づけないような生活習慣を作ることも重要です。こういった場合、当院のグループホームに入居することで物理的に関係を持てない環境にすることが可能です。さらに、お金を稼ぐために夜の仕事をして昼夜逆転の生活になっている方もおり、当院の就労支援を利用することで昼間の仕事に就き、規則正しい生活習慣を取り戻すことも可能です。
なお、対象に貢ぐことが当たり前になってしまうと普段の金銭感覚から狂ってきます(1万円が100円玉のように感じる!)。就労訓練を終え一般就労となれば当然収入が増えますので、そのときにまた衝動的にお金を使ってしまうことのないよう、限られたお金の中で計画的に生活できるような金銭感覚の訓練も行えます。
① 発症初期
② 重症化
③ さらに重症化
④ 重症化の後
⑤ 集団精神療法
⑥ 自己破産
⑦ 家族相談
家族相談
家族としては一刻も早く娘を夜の街から引き離したい一心ですが、娘自身がホスト通いをやめたいと思わないとなかなか止めることが困難です。一方で、娘が自身の問題と向き合うために家族がサポートできることもあります。当院では家族相談を行っています。ときに問題に直面させようとする家族の関わりは、かえって娘の問題行動に拍車をかけることもあり、お互い感情的に傷つけあったり無視をしたりと関係悪化に繋がることもあります。困ったことがあったときに相談してもらえるように、まずは関係改善のための取り組みから始めましょう。
家族相談は遠回りに思えるかもしれませんが、ご家族が今できる最善の行動です。