強迫的性行動症とは

強迫的性行動症は、WHOの世界的診断基準のICD-11にて新しく追加された病気です。
この病気の人の第一の特色は、非常に強い性的衝動を反復して感じる事ですが、これだけではもちろん病気とは言いません。

1、強い性的衝動を反復して感じる

一般の場合
ソープランドにたまには行ってみたい
病気の場合
ソープランドに毎日通いたいと感じる
第二の特色は、この病気でない人はその様な強い性的衝動があっても状況に応じてその衝動を制御できますが、この病気の人は制御に頻回に失敗します。

2、強い性的衝動の制御に頻回に失敗する

一般の場合
お小遣いが少ないから、ソープランドは回数を減らそう
病気の場合
毎日ソープランドに通ってしまう
第三の特色は、その性的衝動を制御できないために自身や社会的問題が起こることです。

3、自身や社会的問題が起こる

一般の場合
毎日ソープランドに行っても、お金持ちだから困らない
病気の場合
毎日ソープランドに行ったので、借金だらけになって生活が回らない
強迫的性行動症はこの3つの特色を持ち、その結果として一定期間反復的な性衝動が生活の中心になってしまったときに診断されます。過去には男性の比率が高いと言われてきましたが、現症では必ずしもそうとは言えず、人口の3%位ではないかと言われています。

第一の注意点としては、問題行動が繰り返されるので依存症と結果は似ていますが、依存症が繰り返し行う事で脳が変化して依存症になるのですが、強迫的性行動症の場合は必ずしもそうではなくて、制御に失敗することが特色で、依存症とは区別されています。

第二の注意点は、強迫的性行動症とよく似た病気にパラフィリア症群がありますが、パラフィリア症群はその行為が犯罪です。それに比べて強迫的性行動症は、一義的は犯罪行為ではありません。

この強迫的性行動症の一般的なタイプとしては、自慰行為、ポルノの強迫的使用、長期間の乱交、複数との交際などが有名ですが、社会状況によっていろいろな形で時代に応じて現れます。→ 種類とタイプはこちら

当院は通院外来のクリニックですので、家事や仕事を続けながら強迫的性行動症の治療に取り組めます。県外の方でも通院の仕方によっては治療が可能ですのでご相談ください。当院では患者様のご都合に合わせて治療方法を選択できるように、治療コースをご用意しております。主治医と相談してご自身に合った方法で治療を開始していただけます。入院が必要な場合には専門病院と充分な連携があります。夜間診療も火・水・木にやっており、夜間のみでも治療ができます。また悩みを抱えるご家族への家族相談には特に力を入れています。

本人が来たがらない場合

まずは対応を相談するためにご家族が受診してください。強迫的性行動症は家族とのコミュニケーション次第で問題行動は悪化も改善もします。本人との関係性が改善すれば治療に繋げる機会も増えるので今すぐご相談してください。