ネット依存(ゲーム障害)の症状
生活に支障はないものの親との約束の時間を守れない子から、オンラインゲームにのめりこんで学校に行けていない子まで、病態は様々です。社会人の方でも寝不足で出勤したり課金で借金をする方がいます。
たとえばこんな症状があります。
- ゲームをやる頻度、プレイ時間がだんだんと増えている。途中で切り上げることができず、最初に設定した時間を過ぎてもずっとやってしまう
- 「あと1回だけやったらやめる」と言ってからも何時間もゲームを続けることがしばらくの期間続いている
- 学校や仕事上の課題があってもゲームのために後回しにした結果、ずっとゲームに時間を費やしてしまって課題をやる時間が無い
- 「早くゲームしたい、しないといけない」と強迫的に考えることがある
- 友達や家族との約束をすっぽかしてゲームをやることが多い
- ゲームのために昼夜逆転の生活になり、朝が起きられない
- 不登校、引きこもりの状態であり、起きている時間はずっとスマホやPCをいじっている
- SNSでの相手の反応が気になって授業中や仕事中でも確認する
- 今の動画を見終わると次の動画を見てしまって途中でやめられなくなる
- 課金のために家族のクレジットカードを勝手に使う、あるいは金融会社から借金をする
なお、ICD-11の診断基準ではゲームプレイにのみ焦点が当てられていますが、当院ではそれ以外のコンテンツ(オフラインゲーム、SNS、動画閲覧など)を使用する場合も治療の対象としています。年齢層は幅広く、小学生から大人の方まで男女ともに受診されています。
同じだけゲームをしている場合でも、ある子は短時間の勉強で良い成績を取れるため支障ありませんが、ある子はその倍勉強時間がないと平均点すら取れないために支障が出てくるかもしれません。一概にプレイ時間の長さだけでネット依存症の重症度をはかることはできないでしょう。
また、世代によってインターネットに対する理解も異なるため、一つの家族の中でも本人に抱く印象はバラバラです。家族の中だけで解決しようとせず、専門家に客観的に診てもらった方が良いときもあります。