ネット依存(ゲーム障害)の原因
① ネット依存(ゲーム障害、スマホ依存)に陥る脳のメカニズム
では依存症になるまでにはどのような経過を辿るのでしょうか。
ネット依存(ゲーム依存、スマホ依存)も、始まりはちょっとしたきっかけです。インターネットやゲームは日常生活において当たり前に存在するものであるため、きっかけとなる場面はたくさんあります(進学にあたりスマホを買ってもらった、友達に一緒にやろうと誘われたなど)。後に依存症になる方も最初は遊びの範囲でネットやゲームをやっています。しかし段々とゲームに費やす時間が増えていき、それに伴い何らかの問題(対人的・経済的・身体的・精神的な問題)が生じます。健全なユーザーであればこの時点でゲームを控えることができますが、一部の人はそれができずに昼夜逆転したり他の予定を蔑ろにしてまでゲームを継続します。この一部の人の脳にはある変化が起きています。
これだけ聞けば良いことだと思うかもしれませんが、恐ろしいのは神経伝達物質は有限なものであるということです。永遠に分泌され続けることはなく、すぐに枯渇します。すると、それまでの強烈な快楽が得られなくなるためにさらにゲーム欲求は促進され、ドーパミンは枯渇し、むしろ焦りや不安、退屈感といった不快体験が増えていく…という悪循環に陥ります。このレベルにまで達すると脳は快楽だけを求めて体に指示を出すため、簡単には抗えません。
このような経過を経て、「やってはいけないとわかっているんだけどやめられない」というネット依存(ゲーム依存、スマホ依存)が形成されます。
② 他の精神疾患との関連
発達障害:
睡眠障害:
社交不安障害:
※ネット依存(ゲーム依存、スマホ依存)に限らず、他の依存症もこういった精神疾患との合併により問題が深刻化してしまうことがあります。なお、これらの精神疾患は依存症との関連性が認められているものの、原因ではありません。同じ精神疾患に罹患していても依存症にならない方もいます。